ファムの人形物語

ママからの伝言 ビスクドール

ビスクドールって何?という方への伝言

お人形の展示会を開くと、期間中に必ず聞かれるのが、「ビスクドールって何ですか?」という質問。

ビスクドールは単純に言えば、ヘッドに「二度焼きした磁器」を使った人形の事なのですが、
この技術は19世紀半ばにフランスで開発されました。

それまで、ヨーロッパでは人形の産業はドイツを中心に発達しました。
人形の素材として使われたのは、木や紙、蝋、皮などですね。
フランスでは、人形はファッションを伝達するために使われたのですが、
人間の肌質に見えるビスク製の人形が出来た事により、
美しい顔かたちをした人形に変化し、人形そのものが重視され、
19世紀後期から20世紀初頭にかけて、アンティーク・ドールの黄金期を作りました。

今私たちが「アンティーク・ドール」と呼ぶお人形のほとんどは、顔だけがビスクで作られていて、
体はコンポジションというおがくずを練って作られた素材や、皮などで出来ています。
中には手や足もビスクのものもありますし、
小さいお人形で全部ビスク製のものもあります。(オールビスクと呼ばれる。)

ジュモー絵葉書
ジュモーの大きなビスクドールが写っているポストカード

フランスの主なメーカーにはジュモー、ブリュ、ユレ、ゴーチェ、ステネー、A.T.(アーテー)などがありますが、
美しいビスクの顔の人形にパリモードを着せ、人形の産業に大きな功績を残しています。
美術品に匹敵する人形が生まれた背景には、優れた彫刻家の力も加わっているからです。

その後ドイツがフランスより低価格な人形を大量生産するようになり、産業トップの座はドイツに移って行きます。
ドイツは安価な人形を作るだけでなく、キャラクター性の強い可愛い人形や、精巧なスリーピング・アイの作りなどを駆使し、魅力的な作品を生み出しています。
代表する工房にアーモンド・マルセルやシモン&ハルビック、カマー&ラインハルト、ケストナーなどがあります。

この人形たちの製造は、世界経済の悪化と、二度にわたる世界大戦で姿を消しました。
ビスクという壊れやすい素材が、プラスチックなどの耐久性のある素材に代わって行った事にも、理由が挙げられます。

このビスクの技術が現代に受け継がれている「クラシック・ビスクドール」の事は、
また次にお話ししますね。





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